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「お前さんの言い分は、よぉ〜〜〜〜く解かった!!」 テーブルに腰掛、カンダタが腕組みする。 「な〜によ!! 相変わらず偉そうに!!」 エルマが手持ちのムチで、カンダタの頭を叩く。 「4人の勇者の中でも一番『策士』じゃねえか。」 相当痛かったのだろう。頭を抱えて彼が俺を称讃する。 幼馴染がダーマ神殿の大神官バサラの息子だった為、 俺はそこで嫌というほど『戦術』を叩き込まれた。 「アクシズはね。 本当に昔から『チェス』が強かったですから。 ……賢者の僕に勝つのですよ?」 ディートが苦笑いする。 「でも、僕らの変化球勝負はここまででしたけどね。」 「ココに入るのか?」 カンダタの質問に俺達一同は頷く。 「帰ってこられるのか?」 「それは解からない。」 「解からない?」 「一度潜ったら、この闇の影響で、俺達の身体にどう影響するのか想像出来ない。」 「だよな。」 俺と会話のやり取りをし、カンダタは腕組みして納得する。 が、しかし。 「あの『スゲエ強い姉ちゃん』はどうする?」 「?」 ……誰? と、俺が顔をしかめると……。 「勇者アイリのことだよ。」 ……!? 平然とカンダタは言ってのけた。 ……そ、それより!! 「言うに事欠いて何て失礼なこと言っている!! 貴様は!!」 「なんだ、やっぱ惚れてんのか……。」 __冷やかしだったのか。 カンダタの誘導尋問にはまり、俺の顔は熱くなる。 やられた。 ニヤニヤと俺を見るな……。 「まあ、あの強さを除けば結構可愛い女だしな。 その様子だと、クールなお前もそうとうお熱だな〜♪」 __確かに彼女は強いが、本当はそうじゃない……。 「俺たちが行った後に、このことをアイリに話すのか?」 俺が真面目な表情で聞くと、カンダタは首を横に振る。 「いや。 言わねえ。」 「……そうか。」 「俺もこの穴抜けるからな。 会うどころじゃねえよな〜。」 ……って。 「何いいいいいいい!?」 驚愕する俺達。 「ちょ……、ま、待て!! カンダタ!!」 俺が止めるのも聞かず、カンダタは『ギアガの大穴』へ飛び降りてしまった!! その直後、大穴に異変が起き、 増殖した闇は俺達の浸入を完全に防いでしまったのだ。 呆然と立たずむ俺達。 しばらく沈黙の後、エビルがやっと口を開いた。 「……魔王バラモスが倒された。 勇者アイリが、倒した……。」 __アイリが? アイリの存在が奴にバレた。それ以外、考えられない。 間に合わなかったのだ。 俺は、唇を噛み締め、しばらくその場に立ち尽くしていた……。 あとがきです。 これで、『騒動編』 は全部終了しました。 全部読んで下さった方。本当にお疲れ様です。ありがとうございます。 『地下世界』編、『裏ステージ』編へと話が続きます。 (どちらもシリアスタッチ長編小説。三人称。) |
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