「遠方まで行くのに、戻れるわけないだろ!!」

まったく、兄貴を探すのに門限も何もあるか……!!
不機嫌そうに俺が抗議すると、
エイトは何かを考える仕草を取り、
一枚の紙切れを出してきた。
<3>
「そんなに、遠方に行くんだったら、
 モリーさんから頼まれた仕事も引き受けてくれないかな……。」

後頭部を掻きながら、
エイトは申し訳なさそうに苦笑する。

あのモリーさんの事だ。
断っても、「YES」と言うまで帰してもらえなかったのだろう。

「まあ、仕方ない。
 正直、今日一日で兄貴が見つかるなんて思ってないからな。」

「いつも悪いね♪」

「そのモンスターと、戦闘する事になるのか?」

俺が問うと、エイトは首を横に振った。

「いや。
 多分、無いと思うよ?
 だって、モンスター達を凶暴化させた『ラプソーン』は既に居ないし、
 モンスター図鑑だって、コンプリートしているんだ。
 でも、ゴスペルリングだけは装備しない方がいい……。」

そうだな。
あの指輪を装備すると、モンスターに遭遇しなくなる。
モンスター探しには適さないアイテムなんだよな……。

『WANTED』(指名手配書)を受け取り、
内容に目を通す。

さて、そこに描かれているモンスターとは……?
 ■「山のテンション王」、ブラウニーの『ブラウン』。
 
 ■「見返りデビル」、レッドテイルの『レッド』。

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