指名手配書に描かれていたのは、 ブラウニーの『ブラウン』だった。 その手配書と、モンスター図鑑を照らし合わせ、 生息地を割り出す。 マイエラ周辺だから……。 |
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__正直、行き辛いところもあるな……。 腹違いの兄貴マルチェロの『騎士団長の指輪』を、 道具袋から取り出し装備する。 攻撃力と賢さが同時に上昇する優れものだが……。 __マイエラ修道院に、二度と戻らないって事だよな……。 でなければ、権威の象徴である証を手放す筈が無い。 以前、俺の考え方がクールすぎると、 トロデ王に言われた事があるが、 それは人それぞれだし、仕方ないだろう。 俺だって、いつまでも子供じゃないんだ。 マイエラ周辺を見回し、 ブラウンの姿を探す。 __ああ、あんな所にいた……!! 「また、僕を『スカウト』しに来たの?」 ブラウンが、ビクビクしながら俺に問いかけてくる。 確か、強いスカウトモンスターが入りきらないから『お別れ』したんだ。 「いや。 今回は、俺達の仲間って訳じゃなさそうだ。 お前、モリーさんに何かしたのか?」 『WANTED』(指名手配書)を見せると、 受け取りブラウンは驚愕して、大慌てで語り始める。 「……戸棚にあった『ケーキ』をつまんだんだけど、 アレって、モリーさんのだったのか……!!」 そ、そんな、しょうもない理由で手配書発行されてたのか!!? でも、あのオッサンなら有り得るかもな……。 「反省してるんだし、新しい『ケーキ』を買って持って行けば、 許してもらえるんじゃないか?」 「ごめんなさい。」 「俺に謝ってどうなるってもんじゃないだろ? 謝るんなら、モリーさんに謝れよ?」 「はい。」 申し訳なさそうに俯くから、これ以上責める気も起こらなかった。 あ、そうだ!! 「ブラウン。 マルチェロの事について、何か知ってるか?」 有るか無いのか判らない首を横に振って、 ブラウンは俺を見上げた。 バトルロード格闘場へ行ってから帰った方がよさそうだな。 |
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