指名手配書に描かれていたのは、
レッドテイルの『レッド』だった。

その手配書と、モンスター図鑑を照らし合わせ、
生息地を割り出す。
<4>
確か、パルミド地方だったと思うが、
何故マイエラ地方で目撃情報が相次いでいるんだ?

__ひょっとして……。

嫌な予感が脳裏を過ぎったが、
今は、考えない事にする。

「あんら〜〜〜〜、ククールさん♪
 お会い出来て嬉しいわ〜〜〜〜♪」

背筋に寒気が走り、振り向くと、
レッドが俺の耳に息を吹きかけてくる!!

「や、やめろ!!!!
 俺は、ノーマルだ!!!!
 女性にしか興味ない!!!!」

必死に抵抗するが、
奴は女言葉で、逞しい胸板を近づけて、やって来る!!
後退るが、レッドは執拗に迫り来る……!!

「だって、聖堂騎士団って、男同士で抱き合ってるって言うじゃない?
 私も、仲間に入れてもらおうと思ってココに来たんだけど、
 ククールさんみたいな素敵な殿方だったら、最高だわ〜〜〜♪」

「長々と、とんでもないセリフを言うんじゃない!!」

「ちょっと抱いてくれたら、帰ってあげるわ♪」

ちょっとも、そっとも、指一本、触れたくない……っ!!!!
実際、何度も他の騎士団員から襲われかけた経歴を持つ俺は、
ソレが嫌で、エイト達に付いて行ったところもあった。

「なあによ。
 そんなに嫌がる事ないじゃない!!
 失礼ね……!!」

気が付けば、段々、レッドの機嫌が悪くなってきている!!

……と。

尻尾を振り回し、鉄球を当ててきたので、
跳躍すると避ける。

「ククールさん。
 観念してね♪」

奴の指は俺を指していた!!

__呪いの指差し……!!

硬直してしまう。
不思議な脱力感。

だが、本当に恐ろしいのは、この後だった。

「じゃあ、遠慮なく……♪」
「……〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

やめろ、やめろ、やめろ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!

……その後、俺の記憶は無く、
何をされたのかも解からなかった……。

ちなみに……。
服は着てたので、貞操は無事だったようだ……。
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