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「エイトさん。
 王様になるの?」
「凄い〜〜〜〜〜!!」
「王様になるんだ〜〜〜〜♪」

俺が悩む理由を告げたは良かったが、
またもやスカウトモンスター達の大合唱。
と、止めないと……!!

「この話には続きがあるんだ。」

この台詞(せりふ)に、周囲がシ〜ンとなってしまう。
流石(さすが)に言いにくい……。
でも、言わないと……。

「怒らないで聞いてね。いいかい?
 俺が王になる為の戴冠式に、君達を呼ぶことは出来ないんだ……。
 結婚式はいきなりだったけど、戴冠式は正式な日時も決まってる……。」

__でも、呼ぶことは出来ない。

「いいですよ。」

最初に了承したのは、スマイルだった。

「我がメタルキング族は、キングだけにスライム系の頂点に立つ存在。
 王になる者の気持ちは理解しているつもりです。
 今のエイトさんは、次期国王という孤独感に悩んでいます。」

スマイルの言葉は続いた。
王とは一番上にいて、大勢に囲まれようとも、
孤独感に苛(さいな)まれる存在なのだと。
仲間達とも、普段通りの付き合いが許されなくなってしまうことも有り得ると。

「スマイル。
 君は、孤独だったのかい?」

素朴な疑問を投げかける。
否定するように彼は大きな銀色の身体を横に震わせ、更に微笑んだ。

「いいえ。
 私にはエイトさん達が居ますから。」

「俺が王様になっても、相談相手になってくれるかい?」

「ええ。構いませんよ♪」

スマイルの言葉に、他のスカウトモンスター達が一斉に頷く。
俺の表情も綻んでいくのが分かる……。
気が付くと、後方に立って、モリーさんが腕組しながらこちらを見ている。

「決まったようだな、ボーイ。
 良いモンスターチームを持ったではないか。
 それでこそチャンピオンだ♪」

彼に向かって大きく頷くと、自然と笑顔になった。
モリーさん。
スマイル。
皆、心配かけてゴメンね。

俺、頑張るから……。
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DQ8『小説』CONTENTS