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「要するに、エイト夫妻に刺激を与えよ……って事か♪」 何故か嬉しそうに、ククールが両拳を合わせる。 同じく嬉しそうにゼシカとヤンガスがトロデ王を見下ろす。 「ふむ。 このところ、仕事続きじゃったものじゃから、気が滅入っておるのじゃろう!! ワシらだけ元気なのも何じゃから、 エイトとミーティアにも元気になって欲しいのじゃよ!!」 「確かに、倦怠期に離婚率が増えるっていうものね♪」 「いや、存在が空気になるのが『倦怠期』というやつでがすよ!!」 おいおい。 何か、皆さん『好き勝手な事』言ってませんか!? 確かに、俺は最近、ミーティアとの結婚生活に慣れてきましたが、 彼女の存在が空気とは絶対思えないし、ましてや、り……!!? 「……んなわけないでしょうが!!!! 何、言ってんだ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」 久々に頭に血が上る!! テンションが上昇する。 しかし、今回は彼等の方が上手(うわて)だった!! 「エイトが暴走したわ!! ククール、『冷たい笑み』よ!!」 ゼシカの指示で、ククールの口の端が笑いの形になる……!! しかもこの攻撃。 ……避けられないんだった!! ヤンガスの絶叫が城内に響く。 「兄貴〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」 __……。 あれ? 何も起こらないぞ? しーん……となった城内を見回すと、 挑発的な笑みを浮かべながら、ククールが自分の腰に両拳を当てている。 「ビックリしただろ?」 「うん。」 正直、逃げられないと覚悟した。 『冷たい笑み』を喰らうと、精神的にダメージを受けるというか……。 テンションダウンとはそういうものだし……。 「今のは、『温かい笑み』だ♪ うぐ……!!」 思わず拳を振り上げた俺より早く、 ゼシカとヤンガスに熱く突っ込まれ、 床に突っ伏するククール……。 一瞬、俺とトロデ王が呆然となるが、 今ので良い刺激にはなったかもしれない……。 ……しかし、痛そう……。 |
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