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__ミーティア、起きてるといいけど……。 不安に感じながらも、静かに夜の城内を歩く。 見張りの兵士も、船を漕ぐように頭を揺らしながら眠っていた。 __……忘れてた!! イシュマウリさんが出現する時、周囲の人々が寝てしまうんだった……!! 今頃気付き、俺は頭を抱える。 「何やってんだ?」 聞き慣れた声で振り返る。 いつもの服装でククールは未だに起きていた。 __良かった。じゃあ、ミーティアも起きてる。 ホッと胸を撫で下ろす。 「イシュマウリさんが来ているみたいなんだ。」 「!!? 何だって……う。」 驚愕し、大声を上げようとしたククールの口を塞ぎ、 慌てて辺りを見回すと、俺は険しい顔で窘(たしな)める。 「……声が、大きいよ……!! 今、夜だよ……、皆、寝てるんだよ……!!?」 「……悪かった……。」 陳謝され、お互い元の体勢に戻ると、丁度テラス奥が見えた。 そこには慎ましやかに佇(たたず)み、星空を見上げるミーティアの後姿が在る。 取りあえずククールを放っておいて、徐に彼女の傍に歩み寄る。 気配に気付き振り向くと、 ミーティアは笑顔のまま、静かに語りかけてきた。 「今日は、お月様が綺麗ですね。 だからでしょうか、『お星様が少ない』ような気がします……。」 「空が明るいと、見える星も見えなくなるからね……。 文献に書いてあったし。 文献といえば、今、図書室に『イシュマウリ』さんが来てるんだ。 ミーティア、何か望んだ?」 問いかけに、彼女は素直に頷く。 俺は首を傾げた。 一体、何を望んだというのだろう? 殆どの願いは叶っている筈なのだけど……。 ひょっとして……!!? |
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