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俺とトロデ王は揃って中に入る。 宙に階段のように並ぶ浮岩と、神秘的な光景。 やっぱりココは、『イシュマウリ』さんの世界だ。 初めて目にする光景に愕然となり、大口を開けたまま佇(たたず)む王。 思わず苦笑してしまう。 「そういえば陛下は初めてでしたよね。 ココは、かつて『月影のハープ』で『古代船』を復活させてくれた、 『イシュマウリ』さんが住む世界です。」 「何と、あの『若者』の……。」 ……ククールは『男』か『女』か区別付かないって言っていたけど、 トロデ王は『男』だと判断したらしい……。 実は俺も、イシュマウリさんは『男』だと思っている。 __あ、そうだ!! 思い出して、手を叩く。 だが、出口へ向かって急ごうとした俺の服裾を掴み、王が狼狽する。 「何処へ行くのじゃ!!? ワシが1人になってしまうではないか……!!」 「大丈夫ですよ。 ミーティアを呼んで来ようと思っただけです。」 今の時刻。 彼女は、テラスで夜空の星を眺めている頃だから。 「でも、陛下はココに居て下さいね。 誰か1人でも異世界の者が居なくなれば、 イシュマウリさんが、扉を消す可能性がありますから。」 「う、うむ、分かった。 早く戻ってくるのじゃぞ。」 「解かりました。」 それでも困惑顔のトロデ王。 安心させるように微笑みかけると、外へ出る。 元の図書室から壁に映る『窓』は不思議な事にずっと開いたままだ。 __でも何故、今頃開いたんだろう……? 古代船が復活したのだから、窓は二度と開かれない筈だ。 じゃあ、彼に願いを叶えて欲しい人物が他に居るということだろうか? それにしても……。 いつ見ても、不思議なんだよね……、コレ。 |
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