<5>
「何、考えてるんですか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

トロデーン城に戻った俺とミーティアは、
必死の表情でトロデ王に詰め寄り絶叫する。
次に彼女は書類を一枚取り出し、王の手前で見せ付ける。

「お父様!!
 ミーティアは期限切れの書類を溜めてた事なんて、全く知りませんでした!!!!
 今直ぐ、各国の代表達に謝ってこないと……!!!!」

「しかしじゃな〜〜。
 トロデーン城が呪いをかけられておった頃の書類で、
 まさか、そのまま溜まっているなどとは思わなかったのじゃよ♪」

……確かに、あの時は生きる為、必死だったからな〜〜。
王の気持ちも解からないでもない……。

ラプソーンを倒して、呪われたトロデーン城が元に戻ったということは、
当然、中で溜まっていた書類も元に戻ったという訳です……。
……て事は、下手すれば何年前の物も存在する?

呆然と佇(たたず)む俺の耳元で、ヤンガスが小さく囁(ささや)く。

「だから、アッシは過去に、兄貴に言ったでげすよ?
 確かにトロデーンは呪いをかけられたけど、
 結果的には良かったんじゃないでがすかと……。」

「……確かに、ヤンガスの言うとおり。
 呪いは解けたけど、
 かえって話がややこしくなったような気がする……。」

「この分なら、ミーティア、お馬さんの頃の方が良かったですわ……。」

同時に3人で項垂れる。
苦笑しながら、ククールが俺の肩に手を置いた。

「エイト。
 お前が国王になった時は、コレを反面教師にして政治を行うんだぞ?」

解かってます。
……でも、俺、寄り道が好きなので、正直どうなるか解かりません……。

あ〜あ。
俺とミーティアが穏やかに生活出来る日が、早く来ないのだろうか……?

天を見上げ、情けない表情になるが、今は仕方ない。
取りあえず今は、やるべき事をやっておこう。

呪われた空白期間を埋めるには、しばらく時間が掛かりそうです♪
これの次の話『エイトさんの受難』_[12]へ
前へ
DQ8『小説』CONTENTS