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ゼシカに言われたとおり、瞬間転移呪文『ルーラ』で、 トラペッタに無事到着しました。 ココに来た俺達の目的は、『トロデ王の無気力』を治す方法を占ってもらう事。 答えは解かっているが、一応、素朴な疑問をククールに投げかけてみよう。 「ねえ。 本当に、これで陛下の無気力は治ると思う?」 「う〜〜〜ん。」 意に反して、彼は腕組みしながら悩んでしまった。 __まあ、占いだから。ルイネロさんは医者じゃないし……。 このまま立ち往生している訳にもいかないので、 取りあえず、トラペッタ2階、北の奥、 井戸の隣にあるルイネロさん宅に、そろってお邪魔する。 だが、俺達を迎えてくれたのは、彼の血の繋がらない娘・ユリマさんだった。 いつもは水晶玉に向かって座っている筈のルイネロさんの姿が、 今日は見当たらない。 挨拶を終えた後、彼女に問う。 すると、困った顔で水晶玉を見つめ、答えを返してきた。 「お父さん。 また、飲んでいるみたいなんです……。」 「飲む……って、今、昼間だけど……!?」 驚愕した俺達は、もう一度、ドアの外へ出て確認してみるが、 やはり太陽は真上に昇っているし、 天には雲ひとつ無い青空が広がっている……。 「何か、あったのでしょうか……?」 心配そうに瞳を潤ませるミーティア。 彼女は優しいからな……。 そういえば、ミーティアとユリマさんって、丁度同じ年頃なんだっけ!! トロデ王が言ってたな〜〜。 「そうだ。 確か、ユリマさん。 占い出来たよね?」 思い出したように問う俺に、ビックリしたものの、彼女は黙って頷いた。 ククールもワザとらしく、コチラに寄って来る。 「綺麗なお嬢さんの方が、もし外れたって、許せるしな♪ ……て、いてえ!!」 「いいかげんにしなさいよ!! バカリスマ!!」 彼の足を踏みつけ、ゼシカが不機嫌になる。 格闘スキルマスターの彼女に踏まれた足は、さぞ痛かろう……。 しかし、彼の発言に同情の余地は無かった……。 |
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