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リーザス村に着き、アルバート邸の前に佇む俺達一行。
本当に、瞬間転移呪文『ルーラ』の使い方だけは、
今後も上手くなりそうで……。

メンバーは、俺、ミーティア、ヤンガス、ククール、ゼシカ。
そして、何故かトロデ王も一緒に付いて来てしまった……。
軽く嘆息すると、俺は王の耳元で囁く様に問うた。

「陛下……。
 公務はどうするのですか?」
「ああ、アレか?
 何、直ぐ終わるような仕事じゃから、大丈夫じゃよ♪」
「……各国からの書類、大分溜まっていましたけど……。」
「……許可証に、サインするだけじゃから、大丈夫じゃ。
 アレなら、エイトにも手伝えるじゃろ?」

……やっぱり、そうきましたか……。
不備が無いかとかの点検も兼ねるから、結構大変な作業なのだけど、
城内でトロデ王の手伝いが出来るのは、俺かミーティアしか居ない訳で……。
この間、アスカンタ国から直接受け取った書類で、
机が山積みになっていたのを思い出し、俺は大きな溜め息を漏らす。

「お取り込み中、悪いとは思うのだけど、
 私が母さんを説得出来る『勝算』はあるの?」

腰に拳を当て、ゼシカが真面目な顔で問うてくる。
いきなりそう言われても、困るのだけど……。
だが、彼女の質問に返答したのは、
パーティ1番の知恵袋であるトロデ王だった。

「『許婚』の代わりを連れて来れば良いのであろう?
 それならば、この中に最高の『適任者』がおるではないか!!」

__そうか……!!

確かに、これ以上の適任者は存在しない!!
気が付き、俺達一同はククールに注目する。

「え……?
 俺がやるのか……!?」

狼狽する彼に、トロデ王はイタズラっぽく微笑する。

「なあ〜に!!
 今は『振り』だけすれば良いのじゃよ♪
 ……のう、ゼシカ。
 これなら納得じゃろ?」

急に話を振られ、ゼシカが慌てて頷く。
王は満足気に頷くと、拳を高く振り上げた。

「それでは、『アルバート家説得大作戦』実行と行こうかの!!!!
 えい、えい、お〜〜〜〜……じゃ♪」

__……。

この作戦が終わった後、
『戦いの記録』の『トロデ王のコメント』が変化しない事を祈りつつ、
俺達はアルバート邸に乗り込む形になった。

……筈、だが?
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