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「余計な事しなくていいわよ……。」 寝ぼけ眼(まなこ)のゼシカが、うんざりした表情で手を横に振る。 俺とミーティアは互いに顔を見合わせる。 __まあ、ここまでは予想通りなんだけどね。 苦笑すると、ミーティアも同じ事を考えていたのか、後方に視線を移す。 何故ならククールが、立ち聞きしていたからだ。 まったく、素直じゃないな〜〜〜。 本命に不器用なのは、ククールも一緒じゃないか……!! 「ククール。 ソコで、何してるの?」 ワザとらしく問うと、ククールは咳払いして狼狽する。 「たまたま、通り掛かっただけだ……!!」 「でも、ダイニングルームは向こう側だし、 女性を口説くのだって、彼女達の部屋は上の階。 明らかに不自然だと思うのだけど?」 「勝手に推理するな……!! お前、何時から『探偵』になった!?」 誰かさん(筆者)が、推理小説や刑事ドラマ好きだから……。 それは、こっちに置いといて、本題に入ろう!! 「ゼシカ。 居なくなった『許婚(いいなずけ)』の代わりを見つけてきたら、 アローザさんと仲直り出来るのだよね?」 ゼシカの方に向き直り、俺は真面目な表情で問うた。 狼狽した彼女は、慌てて首を横に振る。 「いいわよ……!! 自分の事は、自分で解決するから……!!」 「でも、そう言って『自分で解決出来た』事、今まであった?」 「う……!?」 痛いトコを突いてしまったのか、 俺の言葉にゼシカは観念して口を閉じる。 そして、俺以上に『凄く細かい分析』を始めた。 「……そうね。 『リーザス像の塔』の時は、結局未解決。 ポルトリンクでの『オセアーノン』退治は、 エイトとヤンガスにやってもらったし……。」 ……取り敢えず、『賢さ』と『記憶力』は『俺』以上だとハッキリしましたので、 後の事は、俺に任せて下さい。 正直、ちょっと不安なんだけどね……。 相手が、あのアローザさんだから。 |
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