__コレは……、夢なのかな……。

トロデーン城内の庭園に佇(たたず)む少女は……

__ミーティア……。

彼女は俺を見つけると、笑顔で駆け寄ってきた。
俺の表情も綻(ほころ)ぶ。

そうだ。
俺達は、2人で散歩をする約束をしていたんだ……。

そして……。
ミーティアの手を取ったところで、俺の夢は途切れた……!!
<1>
「……エイト……。
 エイト……!!」

呼ばれて飛び起き、辺りを見回すとミーティアが俺を見つめていた。
目を擦(こす)ってベッドから出る。
……と、その前に挨拶しないと。

「おはよう、ミーティア。」

「おはようございます♪
 エイト、疲れていたのですね……。
 とってもよく寝ていたから、起こすの悪いかと思ったのですけど……。」

そういえば前回、久々にモンスターとの戦闘状態だったというか、
疲れていないといえば嘘になるし……。
頭を掻きつつ、俺はミーティアに向かって苦笑する。
すると、彼女も微笑み返してきた。

__あの頃の夢は、今の現実だよな……。

父・エルトリオに、本当に感謝しないと。
父さんのお蔭で、愛する人と結ばれました……って。

そういえば、前回「帰り辛い」って言っていたゼシカが、
トロデーン城に泊まっているのだっけ。
心配なのか、ミーティアも口元に手を当て、ゼシカの事について語りだす。

「ゼシカさん、大丈夫でしょうか?
 このまま、トロデーンに居てくれると、ミーティアも嬉しいですけど……。
 ゼシカさん、お母様と喧嘩中だと言っていましたし、仲直りして欲しいです。」

「ミーティアは、本当に優しいね。」

「そんな……。
 ゼシカさんは、大切なお友達ですもの♪」

そうだよな。
ミーティアの言うとおり、仲間のピンチは、仲間が救ってやらないと……!!

かつて俺が、仲間達に『本当の意味』で救われたようにね♪
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