「エイト。
 今日は、アスカンタと外交じゃぞ。
 我が国の時期国王の紹介をせねばならぬからな♪」

トロデーン城内、1階。
『謁見の間』でトロデ王が満足気に話しかけてくる。
これだけ平和だと、城内も退屈で、何もすることがないから、
王も外に出る『キッカケ』が欲しかったらしい。
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「ククール。
 お主、せっかくトロデーンにおるのじゃから、
 我が家臣として護衛をお願いするぞ。」

いつの間にか、トロデーン城内に住み着いてしまったククールに向かって、
トロデ王が『とても丁寧』に命令する。
その命令を不服としたククールは、王に抗議した。

「そんなもん、近衛隊長(エイト)の仕事だろうが……!!
 それに、俺は『家臣』になった覚えはない!!」

「じゃが、トロデーン城におるうちは、我が『家臣』じゃ!!!!
 ワシが王の内は『白』と言えば『白』じゃし、『黒』といえば『黒』じゃ!!!!」

……へ、陛下。
我が国は、『独裁政治』だったんですか!?
多分、突発的な冗談だと思うが、
王が言うとシャレにならないというか……。
思わず狼狽する。

一方、隣のミーティアは、既に慣れているらしく、
すまし顔で2人のやり取りを見ていた。
しかし、ククールは相変わらず慣れないのか、俺に助けを求めてくる。

「……エイト。
 早く、王になってくれ……。」

嘆息し、力無く項垂れるククール。

この場には、ヤンガスとゼシカも来ていて、仲間揃って、
アスカンタに出掛けることになっていた。

「兄貴が王になっても、ククールの扱いは一緒だと、
 アッシは思うのでげすが……。」

「そうね。
 その方が、見てる方も面白いものね♪」

「お前ら……。
 気軽でいいよな……。」

……なんか、俺の扱いも、定着してきたような……。
ある意味、ククールと同じかもしれないな〜〜。
……俺って。

思わず苦笑すると、ミーティアが不思議そうに俺を見つめている。

とにかく、出発しましょうか……!!
久し振りにパヴァン王や、キラにも会えるのだしね♪
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