「エイト。 今日は、アスカンタと外交じゃぞ。 我が国の時期国王の紹介をせねばならぬからな♪」 トロデーン城内、1階。 『謁見の間』でトロデ王が満足気に話しかけてくる。 これだけ平和だと、城内も退屈で、何もすることがないから、 王も外に出る『キッカケ』が欲しかったらしい。 |
||
<1> | ||
「ククール。 お主、せっかくトロデーンにおるのじゃから、 我が家臣として護衛をお願いするぞ。」 いつの間にか、トロデーン城内に住み着いてしまったククールに向かって、 トロデ王が『とても丁寧』に命令する。 その命令を不服としたククールは、王に抗議した。 「そんなもん、近衛隊長(エイト)の仕事だろうが……!! それに、俺は『家臣』になった覚えはない!!」 「じゃが、トロデーン城におるうちは、我が『家臣』じゃ!!!! ワシが王の内は『白』と言えば『白』じゃし、『黒』といえば『黒』じゃ!!!!」 ……へ、陛下。 我が国は、『独裁政治』だったんですか!? 多分、突発的な冗談だと思うが、 王が言うとシャレにならないというか……。 思わず狼狽する。 一方、隣のミーティアは、既に慣れているらしく、 すまし顔で2人のやり取りを見ていた。 しかし、ククールは相変わらず慣れないのか、俺に助けを求めてくる。 「……エイト。 早く、王になってくれ……。」 嘆息し、力無く項垂れるククール。 この場には、ヤンガスとゼシカも来ていて、仲間揃って、 アスカンタに出掛けることになっていた。 「兄貴が王になっても、ククールの扱いは一緒だと、 アッシは思うのでげすが……。」 「そうね。 その方が、見てる方も面白いものね♪」 「お前ら……。 気軽でいいよな……。」 ……なんか、俺の扱いも、定着してきたような……。 ある意味、ククールと同じかもしれないな〜〜。 ……俺って。 思わず苦笑すると、ミーティアが不思議そうに俺を見つめている。 とにかく、出発しましょうか……!! 久し振りにパヴァン王や、キラにも会えるのだしね♪ |
||
■次へ ■これの前の話『エイトさんの受難』_[7]へ ■DQ8『小説』CONTENTS |