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アスカンタ城内。 謁見の間で、久々にパヴァン王に対面し、 歓迎されたものの、彼の表情は困惑気味であった。 「どうしたのですか?」 不審に感じ訳を問うと、 暗い表情のパヴァン王に代わり、キラが答えてくれた。 「最近、洞窟から『モグーモグー』と不気味な声が聞こえて、 怖くて、眠れないのだそうです……。」 __……!? それって、確かサザンビーク2階にある、 書棚にあった本に書いてあったような……。 同じことを考えたのか、ククールが俺の肩に手を置き、 小さな声で耳打ちしてくる。 「このぶんじゃ、あのモグラのボスは、全然懲りてないらしいな……。」 「そうだね……。 パヴァン王も寝不足だと、外交すらろくに出来ないだろうし……。」 お互い嘆息し、項垂れる。 聞こえていたかの様に、ゼシカとヤンガスも項垂れた。 たった、1人。 俺の大切な妻を除いて……。 「エイト。 今だったら、モグラさんの歌が聴けるのですね……。 コレはチャンスですわ!!!!」 「ミ、ミーティア……? 本気で言ってる?」 「ミーティア、本気です!!!!」 両手拳を握り締め『やる気満々』の彼女に狼狽する。 俺は大きく溜め息を漏らすと、ミーティアの掌を広げ、元の位置に戻す。 __どうすれば、ミーティアは解かってくれるだろうか……。 すると、ゼシカが助け舟を出してくれた。 だが、その内容は非常にシビアなものだった。 「仕方ないわね。 実際に試聴してもらって、納得してもらうしかないわよ?」 「ゼシカさん。 お願いします!!」 嬉々とし、ゼシカの手を取るミーティア。 大丈夫だろうか……? |
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