前回。 「兄貴。後はアッシに任せるでげすよ♪」 クラビウス王直々の依頼により、 チャゴス王子の『教育』(山賊風)を引き受けたヤンガスは、 無事(?)、その任務を遂行。 さてはて、今回は、一体どんな事件が待ち受けているのやら……。 |
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「エイト。 『お礼』用意できたか?」 早朝。 ククールが、俺に話し掛けてくる。 まったく、朝から何だっていうんだよ〜〜〜。 寝ぼけ眼(まなこ)のまま、俺は欠伸(あくび)を噛み殺し、文句を言う。 「何だよ、ククール〜〜……。 今日は非番なんだし、寝かせてくれよ……。」 それに、何時からトロデーン城に、ククールが住み着いちゃった訳? 見ると、パジャマ姿の俺とは対照的に、 ククールはピシッと外出時の格好になっている。 「お前、寝起き悪いな〜〜〜。」 「ほっといてよ……!! 今日は久々に、 ミーティアとゆっくりしようと思っていたのに……。」 「ああ。 夫婦水入らずになろうとしていたところ、 大変申し訳ないのですが、 重要な『お知らせ』を持って参りました!!」 『あからさまな敬語』を使い、ククールは暦を取り出し、俺の目の前に差し出す。 そして、非常に強い口調で、俺にこう言った。 「目ん玉かっぽじって、よ〜〜〜〜〜く、見てみろ!!!!」 ……ん〜〜〜、何々? 暦には『ホワイトデー』と書いてある……。 思うが早いか、ククールは『キアリク』を詠唱する。 しゃきっ……と、目の覚めた俺。 3月14日って、明日じゃないか……!! 間に合うの? ……と、その前に、『ホワイトデー』って何? |
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