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ホワイトデー当日。
俺は、ミーティアへのプレゼントを抱え、
彼女の部屋の前に立っていた。
心なしか、ドキドキするんだよな〜〜〜……。

とんとん……っと、扉をノックする。

「はい。」
可愛らしい声で、扉が開く。
澄んだ瞳で俺を見つめ、ミーティアは嬉しそうに、こう言った。

「エイト。
 ありがとうございました♪
 『ホワイトデー』のプレゼント。
 ミーティア、とっても嬉しかったです♪」

__……え!?

それは『過去形』の『感謝の言葉』だった!!
俺は、驚愕のあまり唖然とする。
そして、自分の掌の中のキレイな包みに視線を移した。
気付いたのか、ミーティアも包みに視線を移す。
彼女は徐に、俺に問う。

「あのう……。もしかして、
 さっき、頂いた『プレゼント』はエイトじゃなかったんですか?」
「……うん。
 これから渡す筈だったんだけど……。」

ミーティアの目の前で、包みを開き『守りのルビー』を取り出す。
すると、彼女は俺の手からソレを受け取り、瞳を輝かせ、嬉しそうに微笑んだ。

「キレイです……。
 ありがとう、エイト……。
 ミーティア、本当に幸せ者です……!!」
「良かった。
 気に入ってくれて。」
表情が綻び、俺自身も救われた気がした……。
しかし、ここで気になる事が、もう1つ。

「ところで、(俺の名を騙った人に)何を貰ったの?」
「『魔法のビキニ』っていう、なんだか露出度の高い水着ですけど……。」
「誰が、渡したの?」
「ククールさんですけど……。」

__……。

「よお、エイト!!
 ホワイトデーも無事済んで良かったな♪」

後で、ククールの声がする……。
それと同時に、俺のテンションは、スーパーとなっていた!!
久々に切れた俺に狼狽しながら、ククールが土下座し必死で謝る。
だが、既に俺の耳には届かない……!!

「クク〜〜〜ル〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

暗転。

……その後、彼がどうなったのかは、
表現が惨すぎる為、流石(さすが)にお伝え出来ません。
どうぞ、ご了承下さい。
(でも、次回もちゃんと登場しますので、ご安心下さい♪)
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