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「はっはっは!!!!
 麗しの姫君に『ホワイトデー』のプレゼントか。
 エイトも大変だのう。」

俺達はハワード邸に呼ばれ、ダイニングルームでお世話になることに。
ハワードさんに笑われ、俺は恥ずかしさのあまり俯いてしまう。

「貰ったからには、お返ししないと……。
 でも、何が良いのか解からなくて……。
 ハワードさんは、何が良いと思います?」

俺の問いに、ハワードさんは困った表情になり、天を見上げる。

「う〜〜〜む。
 難しいところだが、お菓子では『マシュマロ』や『クッキー』。
 本命ならば『宝石』でも良いのだが……。
 ちなみに、『クラン・スピネル』はいかんぞ!?
 アレは、魔法製作で使ってしまったからな!!!!」

『クラン・スピネル』っていえば、
確か、『呪われしゼシカ』を救う為に、
リーザス像から取った宝石だっけ……。
あの時の情報は、ライドンさんからのものだ。

でも、『宝石』って言うのは一理有る。
ククールの言う『下着』よりは、ずっと贈り易いし。

「よし。
 ククール、帰ろ……あれ……!?」

隣の席を見ると、何と、ククールの姿が消えているではないか!!!!
慌てて周囲を見回すが、やはり彼は居ない……!!
そんな俺を、ハワードさんが諭す。

「きっと、色男には退屈な話だったから、
 自分の分だけ買いに行ったのではないか?」
「……だと、いいですけど……。」

__な〜〜〜んか、嫌な予感がするんだよな〜〜〜〜……。

ハワードさんに礼を言い、俺はハワード邸を後にした。
一応、街中を探すが、ククールの姿は無い。

取り敢えずトロデーンに戻る前に、
瞬間転移呪文『ルーラ』でサザンビークに移動。
教会の右隣のバザーで、『守りのルビー』を購入し、
プレゼント用に包んでもらう事にした。

……でも、ククールの奴、一体何処に行ったのかな?
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