「のう、エイト。 前回、何があったのか教えてくれんか?」 トロデ王が、俺を見上げて問う。 だが……。 俺は、やはり言う事が出来なかった。 |
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俺の部屋には、ククールとヤンガスがいた。 今回は、ゼシカも一緒である。 「仲間4人揃うなんて珍しいじゃない♪」 ゼシカが嬉しそうに微笑むが、 俺達男3人は深刻な顔つきで沈黙していた。 彼女は首を傾げ、不思議そうに順に俺達の顔を覗き込んだ。 流石(さすが)に呆れたのか、ゼシカが俺達を問いただす。 「いったい、どうしたの? せっかく世界が平和になったのに、 ラプソーン討伐の時と同じような表情して……。」 ククールが首を横に振る。 「そうでもないよな……。 『通常エンディング』でやりすぎちまったから、 収集付かない事態になってるんだ。 『真エンディング』で丸く収まったと思ってたのに、このザマだ……。」 「何の話?」 俺が顔をしかめて問うと、彼の代わりにヤンガスが答えた。 「兄貴。誰かさん(筆者)の方針で、 このシリーズだけはリアルな部分を入れてるんでげすよ。」 ……。 じ、じゃあ、皆さん、 そろそろ本題に入りましょうか……!! 「それにしても、アッシの所為でそんなことになるなんて……。」 ククールから一部始終を聞いて、ヤンガスが申し訳なさそうに項垂れる。 「ヤンガス。 お前は、後先考えるのが苦手だからな〜〜。」 ……ククール。 それ、フォローになってない!!!! 彼の発言で更に暗くなるヤンガスを、俺は必死に励ます。 しばらくしてヤンガスはやっと顔を上げてくれた。 そして、元気にこう言ったのである。 「こうなったら、兄貴!!!! 『元』を断つでがすよ!!!!」 なるほど……。『元』を断つ。 そうか……って、ええええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!? 俺は驚愕し唖然となる。 すると、ヤンガスは俺に向かって「ニッ」と微笑んだ。 |
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