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ヤンガスの『教育』が、何とか終わった。 俺はボロボロになったチャゴス王子に、 回復呪文『ベホマ』を詠唱する。 しかし……。 傷は治ったのだが、王子は気絶したまま動かない。 「エイト。 ようやってくれた!! 礼を言うぞ!!」 クラビウス王に礼を言われたが……。 ……俺は、何もしていません。 「チャゴス。 すっかり逞(たくま)しくなって!! 父は嬉しいぞ!!」 相変わらず気絶したままの王子を抱き締め、王は感動の涙を流す。 俺とククールとゼシカは、互いに顔を見合わせ、大きくため息をついた。 ヤンガスだけは、上機嫌である。 「これで、王子も立派になってくれるでがしょう!!!!」 「うむ。ヤンガス、これからも頼むぞ♪」 「承知したでがす!!」 クラビウス王とヤンガスは意気投合する。 「兄貴。 これで、姫様も大丈夫でがすよ!! 今後、王子のことはアッシに任せるでげすよ♪」 「……あ、うん。 でも、今後は程々にしてあげてね……。」 流石にチャゴス王子が、可哀相だから……。 トロデーンに帰る間際、ククールが俺に話しかけてきた。 「ヤンガスの子供時代って、大変だったらしいぞ? ダンジョン探索してたらしいからな〜〜。」 「ダンジョン探索か……。 そういえば、ヤンガスって、ダンジョンに詳しいからなあ。 『宝』の事もよく知ってるし……。」 「とにかくこれからは、ヤンガスをサザンビークに連れて行かないことね。」 ゼシカの言葉に、ククールは肩を竦めて否定する。 「いや〜〜。それは無理だな。 クラビウス王は、ヤンガスの『教育』に半年契約したらしいぞ?」 「半年……!!? それは、ご苦労様ね……。」 そういえば、あの王様も変わってるもんな〜〜。 今回は、ヤンガスが主役みたいなものだった……。 まったく、どんな時でも乱暴は駄目なんだぞ!? 俺は、嘆息して項垂れた。 |
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