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「な、なんだ!! 僕が、一体何をしたというのだ……!!?」 ここは、『王家の山』にある湖前。 嫌がるチャゴス王子の首根っこを掴み、 ヤンガスが不敵に微笑む。 「アッシが、その性根を鍛えてあげるでがすよ……!!」 「き、鍛える……!!? 誰の命令だ。エイトか?」 「い〜〜や、残念でげすが、王子の父上の『直接命令』でがすよ♪」 王子の問いに、ヤンガスは、凄く嬉しそうに答えた。 元山賊の『教育』の意味が解かっているのか、 チャゴス王子は身を震わせ狼狽している。 止めに入ろうとしたが、ククールに腕をつかまれる。 振り向くと彼は首を横に振った。 「エイト。 これは、とても大切な『勉強』だ。 俺達が口出し出来る領域ではない……!!」 「で、でも、一歩間違えば、『スプラッタ』ものになっちゃうよ……!!」 「大丈夫よ。 あくまで『教育』だし、クラビウス王、直々のご命令だし。」 ククールとゼシカが、「こればかりは、仕方ないよ」と共に頷く。 ……確かに、クラビウス王の依頼ではあるのだけど。 正直、コレで性根が直るとはどうしても思えない……。 __更に、『性格が歪(ゆが)む』んじゃなかろうか……。 思うが早いか、ヤンガスの『教育』が開始された。 え? 『教育』内容の説明ですか? ……え〜〜と、ですね。 例えば、意味も無いのに『アルゴリザード』に追い回されたり、 湖で水泳させられたり(ほとんど溺れていましたが……)、 問題集で間違えた分だけ、蜂に追い回されたり……。 常にチャゴス王子の絶叫が、『王家の山』に響いていたというか……。 ヤンガスの『教育』は、それはそれは厳しいものでした。 「ヤンガスの『山賊時代』って、凄く厳しかったのね……。」 見るに堪えない光景に、ゼシカが嘆息する。 俺もククールも、 流石にこの時ばかりは、チャゴス王子に同情を禁じえなかった……。 |
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