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「ちょっと、いくらなんでもそれはマズイよ……!!」

ククールの強引な瞬間転移呪文『ルーラ』により、
サザンビーク城下町に着いた俺達4人は、城門前で立ち往生していた。

「元はと言えば、あの『王子』がトラブルメーカーなんでげすよ?
 これを機に、『教育』してやるのもいいでがすよ。」

ヤンガスのとんでもない発言に、ククールとゼシカも頷く。
元山賊の言う『教育』とは、ヤクザと変わらない訳で……。
つまり、とっても怖い意味だった。

「『王者の儀式』の時は、チャゴス王子、とても偉そうだったけど、
 『身分的にはエイトの方が、彼よりずっと偉い』のよ!!!!
 それくらい、解かるでしょ?」
「……でも。」
「エイトは、『余計な所』が優しいからな〜〜。
 それで結局、姫様、傷つけちまったんだろ?」

ゼシカとククールに痛いところを突かれ、俺は何も言えず項垂れる。
でも、俺は出来るだけ乱暴なことはしたくない……。
きっとミーティアだって、そんなこと望んでいないだろうし……。
……多分。

俺は3人に注目され、困り果てていた。
その時である。

「おや?
 エイトではないか。」

急に呼ばれ、後ろを振り向くと、何とクラビウス王が立っていた。
しかも、御付きの兵士も無く、たった1人である。
俺達は驚愕したものの、直ぐに体勢を整えた。
クラビウス王は、苦笑すると俺達を制した。

「もう一度会えて嬉しいぞ、エイト。
 実は、あの『結婚式』以来。
 もう二度と、この国には立ち寄ってもらえぬと諦めていたのだ。」

両手を握り締め、父親のような温かい眼差しで見下ろしてくる。
……しかし、王が1人だけで訪れるなんて、普通じゃない。
俺は彼に、素朴な疑問を投げかけてみる。

「何故、今日は御1人で参られたのですか?」

「う〜〜む。
 言ったら、多分、嫌がるだろうな……。」

クラビウス王は、困り顔で天を見上げた。
俺達は互いに顔を見合わせる。

だが……。
その後の、王の発言は実に意外なものだった。
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