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「ククール。
 性懲りも無く、何しに来た……!!」

修道院内部。
団長室には何と、サヴェッラ大聖堂の結婚式会場で、
門番をしていた団員がいたではないか……!!
ククールは彼に余裕の笑みを見せる。

「兄貴がいなくなって堕落した修道院に纏(まと)め役がいたとはね。」
「やる気か?」
新団長が問うと、ククールは肩を竦ませた。

「やめとけ。
 俺達は、あの聖地ゴルドを滅ぼした『ラプソーン』を倒した英雄だぞ?
 敵うと思うか……?」

「ち……!!」

新団長は、舌打ちをすると、腰のレイピアに手を伸ばす。
俺は、その行動を見逃さず、
拳を振るうと、彼のレイピアを弾き飛ばした!!
新団長は右手首を抑え、蹲(うずくま)る。
俺は、狼狽する彼の胸倉を掴み、静かに睨みつける。

「約束してくれ。
 もう、トロデーンから手を引いてくれると。」
「ああ、悪かった……。もうしない。」
意外と素直に謝られ、俺が手を離すと、彼は簡単に尻餅をついた。

「どうせ、サザンビーク国の、チャゴス王子絡みなんだろ?」
ククールの指摘に、新団長は素直に頷いた。

__また、アイツか……。

「全然、懲りてないどころか、
 サザンビークの先行きが不安になってきた……。」
力なく項垂れる。

「エイト……。
 今後は、お前の従兄弟の所為で、少々厄介な事になるかもしれないぞ……。」

俺を見てククールが嘆息する。
確かに、あの王子とは一応、従兄弟(いとこ)なんだよなぁ……。
正直、考えたくも無かったのだけど。

何とか、マイエラの一件を解決させた俺達は、
再びトロデーンに戻る事になった。
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