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マイエラ修道院。
俺とククールは大きな門の前に立ち、
共に真剣な表情で前方を見据える。
心なしか、緊張する……!!

「ヤンガスを連れて来なくて良かったの?」

素朴な疑問を投げかけると、ククールは皮手袋を整えながら否定した。

「いや。
 ヤンガスがいると、更に話がこじれる可能性がある……!!」

__それは、確かにそうかな……。

「それにしても、許せないな……。」
俺が唇を噛み締めると、ククールが肩を叩いてくる。
視線を彼に移すと、頼もしげに微笑んでいた。

「まあ、生きてりゃ色々あるさ。
 だが、今回の場合は違うよな。
 麗しの姫君を過労で倒れるまで外交させたのは、
 聖堂騎士団側の責任だ。」

「ミーティアは関係無かった筈だ。
 でも、彼女、優しいから……。」

__俺の為に……!!

ミーティアは、1人で何でも背負い込む癖がある……。
それが、どんなに辛い事でも、人の為には助力を惜しまない。
最初からそうだった。
俺は、ミーティアを王女としてではなく、
『1人の少女』としか見れなくなっていた……。
たとえ、彼女に婚約者がいると知っていても、その気持ちは変わらなかった。

「だから、好きになったんだろ?」

ククールに優しく問われ、俺は素直に頷く。
彼は、嘆息した。

「兄貴のいなくなった、聖堂騎士団がその後どうなったのか、
 コノ目で確かめてやる。」
「暴れないよね?」
「そりゃあ、解からんぞ。」
「確かに、俺も暴れる可能性あるな……!!」

お互い顔を見合わせ、拳と拳を合わせる。
俺達はマイエラ修道院に乗り込んだ……!!
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DQ8『小説』CONTENTS