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俺達が、寝室に向かうと、ミーティアがベッドに横たわっていた。
思わず彼女の手を握る……。

「タダの、過労ですわ。
 このところ外交続きで、姫様も休む暇も無かったですから。
 安静にしていれば、良くなりますわ。」

ミーティア、御付きの次女・セレナさんが、俺に告げた。

「過労……ですか。」
「ひょっとして、エイト隊長。
 何か期待していたのですか?」
がくっと項垂れる俺を見て、セレナさんが苦笑する。

__見透かされてる……。

「いや、ワシも最初は『おめでた』だと思っていたんじゃ……。
 そうか……。」
トロデ王は残念そうに俯いた。

後の事はセレナさんに任せ、寝室を出る。
扉を閉め、俺は、トロデ王を見下ろした。
王も、俺を見上げてくる。

「のう、エイト。
 本当に、夜は滞(とどこお)りなく事を運んでいるのじゃろうな……?」
「……それは、ちょっと言いにくいですけど……。
 確かに、続けてますが……。」

段々、『R指定』な内容になってきたので、
何とかライトな方向へ話を戻そう……!!

「それより、いつの間に『外交』していたのですか!!?」
「だって、エイト。
 ほら、あの結婚式の日じゃ。
 サヴェッラ大聖堂で、ヤンガスの奴が、聖堂騎士団の一人を殴ったじゃろ。
 あれから、マイエラに謝りに行っておったのじゃよ。」

マイエラ修道院……。
聖堂騎士団の本拠地だ。

「だから、ククールが頻繁にこの城に現れるようになったのか。」
「エイト。俺をモンスターと一緒にすんな!!!!」
俺が納得すると、ククールが抗議した。
「ククールは『へたれキャラ』だから仕方ないじゃないか……。」
「『へたれ』って言うな!!
 なりたくてなったんじゃない……!!
 誰かさん(筆者)の陰謀で、こうなったんだ!!!!」

そりゃ、最初から『へたれキャラ』になりたがる奴なんていないよな。
俺は苦笑して、ククールに聞いた。

「マイエラ修道院へ一緒に行ってくれるの?」

すると、彼は一瞬嫌そうな表情をしたが、仕方ないと頷いてくれた。
とにかく、ミーティアの為にも抗議してこなくちゃ……!!
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DQ8『小説』CONTENTS