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俺は、ククールの助言通り『サヴェッラ大聖堂』へ向かった。
ココは、俺とミーティアが結婚式を挙げたところだ。

当時は、チャゴス王子が結婚式を挙げる予定だったのだけど、
『竜神の里』の紙芝居で、俺が『エルトリオ皇太子』の息子だと解かり、
父が母に送った『アルゴンリング』が決めてになって、
俺とミーティアが結婚することを、クラビウス王に許して貰ったんだ。

「エイト。
 幸せにやっとるか?」

ニノ法王(元大司教)が懐かしそうに、俺の手を取って微笑む。

「はい。お蔭様で。」

「うむ。それは、良かった。
 ミーティア姫も幸せな結婚が出来てよかったのう。
 結婚式前日にお会いした時には、
 それはそれは、悲しそうな顔をしておったからの。
 ワシも、どうしたらいいものか、迷っておったんじゃ。」

彼の言葉に、俺の表情が緩(ゆる)む。

__……何だ。皆、解かってくれていたんだ。

照れて苦笑するが、とても嬉しかった。
でも、今回はそんな事で来たわけではないし……。

「お主は、姫と愛を誓ったのではなかったのかな?」

俺が『バレンタインデー』の話を切り出すと、
ニノ法王は、さも意外だといわんばかりの表情をした。
話を聞けば、別に怖い行事では無かったらしい。

「だったら、当然の事であろう。
 全く、羨(うらや)ましい奴じゃ。
 素直に、受け止めてあげなさい。」

「ミーティアの事は、それでいいのですが、
 今一理解に苦しむことがあって。
 ククールが、何故かゼシカを拒否してるみたいなんです。」

「あの、2人もできておるのか?」

「はい。
 一応……、傍目(はため)にはそう見えます。」

「それは、可哀相にの……。」

ニノ法王は、同情の涙をハンカチで拭(ぬぐ)う。

可哀相……?
何で、『バレンタインデー』で、ククールが可哀相になるのだろう……?
俺は色々考えを巡らせたが、やっぱり解からない。

「取り敢えず、ククールに『死ぬな』とだけ伝えておいて欲しい。
 どんな試練でも心して受けるようにと……。」

そう言って、彼は胸の前で十字を切った。

ククールの試練って、何だろう?

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DQ8『小説』CONTENTS