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「ココが『竜神の里』なのですね……。」

ミーティアが初めての光景に感嘆のため息をつく。
彼女は以前、ドルマゲス(ラプソーン)の呪いで馬にされていた為、
実際に里に入った経験が無い。

土色に広がる不思議な景色。
竜神を象(かたど)った彫刻、紋章を象った織物。
まあ、読者の世界で解かりやすく説明すれば、『東洋風』といったところかな?

『竜神の里』に着き、俺達は一旦『実家』で寛(くつろ)ぐことにした。

「グルーノ様。エイト様も。
 お帰りなさいませ!!」

家を守っていてくれている、竜神族の青年が俺達を出迎えた。
ここでは、トロデーンの次に『おかえりなさい』と言って貰(もら)える。

「うむ。
 今回も客人がおるのでな。『チーズ』料理を頼むぞ。」

グルーノが彼を促(うなが)すと、
さっそく彼は料理を担当している竜神族の女性に指示を出す。

はっきり言って、
俺はこの『里』における『役割分担』がよく飲み込めていない……。
だって、メイドとか執事とか似合わないだろうし……。
う〜〜ん……。

「ワシも初めてでドキドキするわい……。」
トロデ王が、珍しく萎縮(いしゅく)しながら、部屋を見回す。

はい。そうです。
前回、連れていかなかったことで怒っていらしたので、
今回はちゃんと連れてきました♪

トロデ王は、『竜神族』を伝説扱いしていたから、実際に目にして驚いている。

「ところで、エイト。
 ククールは何処(どこ)行ったんじゃ?」

王に言われて、俺も初めて気が付いた。
そういえば、彼の姿が消えている……!!

「ひょっとすると、『竜神王』様の所へ行ったのではないか?
 ククールは変な事を言っていたからのお……。
 『美男子』対決がどうのこうのだと……。」

グルーノは、ネズミのトーポ時に聞いていたであろう、俺達の会話を思い出す。

__それだ!!!!

俺は、驚愕し狼狽しつつ、そして呆れていた……。
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