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「エイト。俺を呼ばないとは、ひどいな〜〜。」 俺と、ヤンガスと、ミーティア姫の三人で『リーザス村』に向かったはいいが、 ククールが待ち伏せしていた。 「ククールが、俺のプライベートに関わるとロクなこと無いのだけど……。」 「大丈夫。前回のような事はやらねえから。」 「前回って、何があったんでがすか?」 俺たち男三人がワイワイやっていると、ミーティア姫がいない!! 「ひ、姫!?」 「ゼシカの家に行ったんじゃねえの?」 「兄貴……。結婚したのに未だに『姫』は無いでがしょうに……。」 ……おい、おい。いったい何なんだ。この会話展開は……。 「……。」 「エイト。もうそろそろ、名前で呼んでみろよ。」 「そうでがす!! 兄貴、勇気を出して『呼び捨て』にするでげすよ!!!!」 ……は、話が違う方向に行き始めた!! 俺が、何気にピンチになっているではないか!!!! しかも、ヤバイことにミーティア姫が戻って来た。 ゼシカも一緒だ……。 「ほら、エイト。 頑張れ!!!!」 ククールが真剣な表情で、俺をけしかける。 「兄貴!! やるでがす!!!!」 ヤンガスまで〜〜〜。 「いったい何の話よ?」 ゼシカが、項垂れて冷や汗をかいている俺を見て、皆に問いかける。 これ以上俺の為に、深く追求してほしくないのですけど……。 「いやな。 エイトの奴が、相変わらず自分の奥さん、名前で呼べないんだよ。」 ククールが嘆息して言うと、 ゼシカが驚愕(きょうがく)する。 「え、そうなの? ミーティア姫、普段エイトになんて呼ばれてるの?」 「……。」 ゼシカの問いに、ミーティア姫は黙って俯(うつむ)いてしまった……。 その瞳に涙が浮いている……。 ……と、脱兎(だっと)のごとく、その場から走り去ってしまったではないか!! 「ま、待って……!!!!」 俺は、彼女を追って駆け出していた。 |
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