俺は前回、
トロデ王に『帝王学』全24巻を、
一週間で覚える課題を出され、
多少邪魔は入ったものの、
何とか無事満点でクリアすることが出来た……。

……が、しかし。
<1>
「あ〜〜〜〜〜、もう嫌だ!!!!」

『経済学』書物50巻を一週間なんて、キツイにも程がある。
俺はもう、そろそろ身も心も限界に近づいていた。

「エイト……。大丈夫ですか?」

ヘロヘロになった俺を見つけて、ミーティア姫が泣きそうな顔をしている……。
いつもなら、大丈夫だと言うのだが、この時ばかりは……。
あ〜〜、頭痛いしなぁ……。

「エイト。」
「はい……。」
姫に呼ばれて、返事をする。
心なしか、姫の声、『凛(りん)とした声』だったような……?

……と、姫は俺の手を握り締め……。

「お父様と『別居』しましょう!!!!」

__なんですと〜〜〜〜〜〜!!!!?

彼女は真面目な顔で、とっぴょうしもないことを言った。
……そういえば、俺達『結婚』していたんだっけ。
今まで、『姫』って呼んでいたから、忘れていた……。
……って、そんな大事な事忘れてどうするんだよ、俺……。
せっかく結婚式場に乗り込んでまで、『結婚』したのに……。

「ミーティアは、エイトが苦しむところを、これ以上見ていられません!!!!
 お父様は、普段からエイトを『こき使いすぎ』です!!!!
 こういう場合『別居』するのが一番だって聞きましたわ!!!!」

……また誰か、姫に変な『入れ知恵』をしたな……?

俺は嘆息(たんそく)すると、ミーティア姫に向き直った。
姫は、両手拳を握り締め『やる気満々』である。
俺は、取り敢えず彼女の拳を元に戻し、
その『入れ知恵の主』を聞いてみる。

「いったい、誰から聞いたの?」
「ゼシカさんですけど。」

__ま〜た、余計なことを……。

また、一波乱きそうな気がするなぁ……。
俺が項垂(うなだ)れると、姫は「きょとん」とした表情で俺を見つめていた。

俺と姫じゃ忍びないから、一応ヤンガスも連れて行こうっと……。
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