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相変わらず、雪解けの来ないオークニス。 あの時は、ヌーク草のお蔭で、寒さもしのげたが、 今回は直で寒さを感じる……!! 「薬師っていえば、グラッドさんだよね……?」 「そうだが。 それにしても、何とかしないと、 そんな姿、姫様には見せられないだろ?」 「……うん。 それにしても、本当に寒い……。」 捲くっていた袖を下ろし、二の腕を抱き締め、袖をこする。 それでもこの寒さは防げるものではない!! 目の前にチラチラと雪が降ってくるし、 防寒着くらい持って来れば良かった……。 だが、俺の後悔と反対に、 ククールは暖かそうな『紅蓮のローブ』に身を包んでいる。 雪山で薄着の俺を見て、気を遣ってくれたのか、 道具袋から『毛皮のフード』を出してくる。 でも、それって……。 「頭に被るだけじゃないか……!!」 抗議すると、肩を竦めた彼に言い返される。 「仕方ないだろ。 何故か、エイトが装備出来る防寒着が、『毛皮のフード』だけなんだから。 せめて、『魔法の法衣』くらい装備出来れば良かったのにな。」 「悪かったね……!!」 「お前、『竜神』装備でも良かったんじゃないか?」 『竜神』装備……? 確かに、『竜神の鎧』ならば、全身を覆うから、 寒さをしのげるかもしれない。 言われるままに、『竜神の鎧』と『竜神の兜』を装備。 俺のコスチュームも、竜神装備に変更されたので、 ついでに『竜神王の剣』と『竜神の盾』も装備する。 まあ、コレで『格闘スキル』で身につけた技を、 使用出来なくなったのだけど……。 他に『剣』と『勇気』のスキルを極めているから全然問題無いし♪ 「相変わらず、ゴツイ格好だよな……。 竜神装備って……。」 『竜神』シリーズに顔をしかめ、ククールが嘆息して呟く。 正直、コレで町に入って大丈夫なものか……。 実は俺も、心配だった。 |
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