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『氷の洞窟』。 『第2の門』。 洞窟から『リレミト』で出た死の天使アズライル達と入れ違うように、 勇者達が到着した。 モグルの兄・番人オグルの姿を見とめ、一行は足を止める。 待っていたかのように、オグルは彼等に向かって語り掛ける。 「グランドラゴーン様の試練を乗り越えたようじゃの……。 結構、痛い試練じゃったろ? 通行料の『モンスターメダル』は持って来たかの? 弟のモグルは『銅』じゃが、ワシは『銀』じゃ。 ついでに『金』も欲しいところじゃが、 今の時点では無理じゃろうて……。 大サービスじゃ♪」 勇者アクシズが残りの『モンスターメダル』を渡すと、 意外にも、オグルは勇者を見つめ、ニヤリと微笑んだ。 不審に感じたアクシズが訳を問う。 「何だ? 俺の顔に何か付いているのか?」 「いやいや、そうではない。 天使の嬢ちゃんの『お気に入りの勇者』の顔が拝みたかっただけじゃ。」 オグルの言葉の意味が解からず、 勇者アクシズは首を傾げたが、 勇者アイリの表情は何故か不機嫌になる。 強引に袖を引っ張っては、彼を自分の所に引き寄せる。 「見たところ、豪華なメンバーが揃っておるの〜〜〜。 『アスラゾーマ』を倒した話は、本当のようじゃの。 もちろん、『アスラゾーマ』の『モンスターメダル』が有れば、 レア中のレアじゃが……。」 まるでコレクターのような会話を続け、 番人オグルは門を開いた。 __……!!!!? 一同は、異様な光景に愕然となる。 白い魔物達が、勇者達を不思議そうに眺めているが、 何故か襲ってこない……。 「彼等は、余程の事が無い限り、襲いはせぬよ。 何せ、下界に出たことが無いのじゃ……。 人間が珍しいだけじゃろ。」 __さて、『ルビスの剣』を誰に渡せば良いか見極める必要があるのう。 勇者達を待っていたのは良かったのだが、 まさかの大所帯に、番人オグルは大きな溜め息を漏らした。 |
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