「馬鹿馬鹿しい……。 俺は、降りるぜ。」 不機嫌そうに鋭い目を、 『魔界の守護神』であるグランドラゴーンに向けながら、 死の天使アズライルは吐き捨てるように言う。 次に彼は、仲間である死の天使に向き直り、強い口調になった。 「だって、考えてもみろ。 俺達は元々、俺達を『堕天使』として追放したゼニス王に復讐する為に、 サムエルに付いて行っただけだ。 グランドラゴーン。 俺は、アンタの為に闘う義理などない……!!」 |
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『好きにしろ。』 冷たく放たれるグランドラゴーンの言葉。 アズライルは舌打ちすると、 踵(きびす)を返し、『氷の洞窟』を去って行こうとする。 慌てた番人オグルが、彼を呼び止める。 「どうするつもりじゃ……!!」 アズライルの足が止まった。 振り返らない。 「サムエルを捜しに行く。」 __奴は、このまま『天界』へ行く筈だ……。 たとえ肉体を『破壊神』に捧げたとしても、 サムエルの憎悪の念が消えた訳ではない。 確信が有るのか、彼の目は彼方を見据えている。 その時、苦笑しながら死の天使ミハエルが、 勇者達の現状を報告した。 「アズライル。 残念ですが、そうもいかないようですよ? 『勇者の魂』は、レイアムランドに到着してしまいましたので♪」 唇を噛み締めアズライルは俯く。 対照的に死の天使ガブリウルが両手を合わせて、表情を明るくした。 「やった〜〜〜♪ 勇者アクシズも来るのね♪」 何と、監禁時の勇者アイリから聞いたのか、 彼女は『お気入りの勇者』の名を覚えてしまったらしい。 おてんば娘のお気楽振りに嘆息する、他の死の天使達。 オグルの弟・番人モグルが、 グランドラゴーンに視線を移し語り始めた。 「グランドラゴーン様。 ワシは、最初の『門』に戻ります。 早く、『モンスターメダル』が欲しいゆえ……♪」 さも、嬉しそうに……。 |
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