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地上界。
レイアムランド。
『氷の洞窟』最深部。

魔界の守護神グランドラゴーンの御前に、
首謀者サムエルを除く、他3人の『死の天使』達が集っていた。
いつもと違うのは、その中に、番人であるオグルと、
その弟・モグルが居たことであろうか?

「やはり、『勇者の魂』がコチラに向かって来ていますね……。
 しかも3つ、全部です。」

額に手を当て、魂の位置を探っていたミハエルが、
グランドラゴーンに状況を報告する。
魂で判断する能力が極めて高い、彼の言う3つの『勇者の魂』とは、
勇者アクシズ、勇者アイリ、勇者オルテガの3人のことである。

番人オグルが問う。

「どうなさる、おつもりじゃ?
 勇者達を普通に、ココへ通して良いものか?」

魔界の守護神であり、ヒドラ族の長である証。
5つの首を順に擡(もた)げ、
グランドラゴーンは中央の首を微笑の形にした。

『普通に通せば良い。
 勇者達は[モンスターメダル]を持っているのであろう?
 [氷の洞窟]の番人オグル、その弟・モグル。
 お前達は、ソレ欲しさに嫌でも通したくなるであろうからな。』

「全て、お見通しでしたか♪
 では、遠慮無く、彼等から『モンスターメダル』を頂きますよ。」

嬉しそうに、番人モグルが言うと、
ガブリウルが不機嫌そうにそっぽを向いた。
彼女は、勇者アクシズに惚れているのだが、
彼の恋人である勇者アイリも一緒だと分かると、
正直、面白くない。

グランドラゴーンは言葉を続ける。

『サムエルを取り込んだ[破壊神]の動向が気になるが、
 今は、[勇者の魂]の方が、興味が有る。
 丁度、退屈しのぎにもなろう……。』

__やれやれ、物好きな神様だ……。

腕組をしながら、グランドラゴーンの巨体を見上げ、
死の天使アズライルは嘆息した。
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