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勇者達は、ネクロゴンドの洞窟を出る。 湖に浮かぶ2つの浮島。 1つは『ギアガの大穴』であり、 もう1つは『バラモス城』である。 極端な世界だが、『ギアガの大穴』は閉じられており、 地下世界へは『旅の扉』からしか行けない。 ふと、勇者アイリは天を見上げる。 禍々しい『気』は、もう感じられない。 だが、視線を下に移し、一同は愕然となった。 周辺の草むらや、野の花は全て枯れ果て、 その影響は、ネクロゴンド地方の森林まで及んでいる。 一行は、アクシズの瞬間転移呪文『ルーラ』で、 『バラモス城』へ到着する。 城門前では既に、エビル(バラモスエビル)が疲れた表情で待っており、 アクシズ達が来た事に安心したのか、その場にへたりこんでしまった。 「エビル様。」 ライガ(ライオンヘッド)に、未だ『様』付けで呼ばれ、 エビルは苦笑する。 「私は、お前が思っている程、立派な『魔王』ではないぞ?」 「ですが、エビル様の判断は常に正しかった。 たとえサムエルに操られていたとしても、 我々に人を喰わせるような真似をさせなかったではありませんか。」 __やっぱりな。 堅物のお前が、そんな大それた事するなんて思わなかったんだ。 長い付き合いからか、勇者アクシズは納得して頷くと、 歩み寄り、エビルを立たせる。 「アクシズ。 すまん。」 大きな身体を折り、頭を下げるエビルの顎を、アクシズが軽く小突く。 そして、頼もしげに見つめ、力強く微笑んだ。 「お前のお蔭で、アイリと再会出来たんだ。 結果オーライだよ。」 傍らで佇むアイリも、微笑んで頷いた。 |
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