<4> | ||
多少、ライガの跳躍が乱暴だったが、 無事、向こう岸に着くことは出来た。 「ココから先は、ネクロゴンドの洞窟だ。 入れば、私の仲間達が、お前を匿(かくま)ってくれるだろう。」 「ちょっと、待って……!!」 着地時に出来たであろう、ライガの血の滲む爪に向かって、 アイリは呪文詠唱の為、手をかざす。 だが、回復呪文『ホイミ』の癒しの光は放たれない……。 彼女は嘆息し、項垂れた。 「ごめんなさい。 やってみたけど、まだ無理だったみたい……。」 落ち込むアイリを、ライガが諭す。 「『静寂の玉』は、効果が強すぎるのだ。 バラモス城から離れ、数日位経てば、 『マホトーン効果』も切れるであろう……。」 「でも……。」 瞬間転移呪文『ルーラ』や、 脱出呪文『リレミト』が使えないとなっては、 やはり心細いものがある。 しかも、彼女の道具袋の中身は全て『必要最低限の私物』で、 袋に入っている『キメラの翼』までは入れていない。 __こんな事なら、平和になったとはいえ、 道具の管理位、自分できっちりやっておけば良かった。 「どうした?」 心配そうに顔を覗き込み、問うライガに、 アイリは苦笑して掌を横に振る。 「ううん、何でもないわ。 そうね……。 『リレミト』と『ルーラ』が使えるようになるまで、 貴方に、お願いするわ。 宜しくね♪」 そして……。 彼女達はネクロゴンド洞窟内に入って行った……。 |
||
■次へ ■前へ ■『DQ3』外伝CONTENTS |