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「それで、アイリは何処に……?」 もしや、同じ場所に居るのだろうか? 勇者アクシズが、恋人・アイリの所在を尋ねるが……。 神竜は、目を閉じ、首を横に振った。 『先程まで、[バラモス城]に居たようじゃが、今は脱出して居ない。』 「脱出した……!!!!?」 ものの見事な、取りこし苦労……!! 意外な答えに拍子抜け、呆然となるオルテガとディートとスラリン。 アクシズだけはホッと胸を撫で下ろし、笑顔になる。 __エビルの奴……。心配かけやがって……!! 硬く握り締めていた拳を開き、 爪の跡のついた掌を見つめ苦笑する。 正面に視線を移すと、神竜だけは、表情を暗くし俯いている……。 意を決し、アクシズは神に向かって断言する。 「俺が、その『グランドラゴーン』と立ち会い、 貴方の『卵』を取り戻してきます……!! 貴方は勝敗のついていない俺達に『アイリの所在』を教えてくれた。」 唖然とし、彼に注目する仲間達。 だが、アクシズが一度決めたら頑として覆さない男だと知る一同は、 互いに顔を見合わせ嘆息した。 『それならば……。』 神竜は、天を見上げ光を収束させる。 光の結晶が集うと、『金』『銀』『銅』のモンスターメダルとなり、 空から落下し祭壇まで到達する。 拾い上げてみると、 『バラモス』『ゾーマ』『神竜』。 ……そして今まで持っていたメダルと、 違った印象の『スライム』が描かれている……。 『ワシだけが持っている、[レア]モンスターメダルだ。 コレを、[氷の洞窟]の番人に届けよ……。 さすれば、お前達をグランドラゴーンの所まで通してくれよう……。』 __もっとも、ワシの方は『手遅れ』だと思うがな……。 下に広がる雲海を見つめ、神竜は心で呟く。 アクシズ達の、今後の『目的』が定まる。 正気を取り戻したエビル(バラモスエビル)の奪還。 バラモス城の地下牢から脱出した勇者アイリとの再会。 死の天使達の謀反を阻止すること。 そして、魔界の守護神『グランドラゴーン』に会うことだった。 |
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