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「……で、私に同行して欲しいというのだな?」 居間に通され、 神竜に会う(闘う)為に、 勇者オルテガの力が必要だと告げる賢者ディートに、 勇者は腕組しながら悩んで俯く。 ディートとリオが、互いに『旅の目的』を打ち明け合うと、 重かった空気が、途端に軽くなり、 代わりに新たな沈黙が襲うこととなった。 複雑な状況とはコノ事であろうか? 一方、美少女好きのスラリン(スライム)は、 リオが気に入ってしまったのか、 彼女の腕の中に抱っこされている……。 ディートは、慌ててスラリンを彼女から引き剥がし、 物凄い形相で睨み付けた。 「ス・ラ・リ・ン!!!! いい加減にして下さい!!!!」 「アイリさんの仲間って、皆、可愛い女の子だよね♪」 「……。」 暢気な発言を続けるスラリンと、狼狽するディートに、リオは首を傾げた。 そんな彼等のやり取りを無視し、 アクシズは迷いの無い真剣な目で、オルテガを見つめる。 仲間のエビル(バラモスエビル)が、 新魔王となっている可能性も心配であったが、 アイリの場合は、囚われの身となり、 死の天使達が『ロト』の魂を欲する以上、彼女の生命が危ない……。 優先順位でいけば『アイリの救助が先』になる。 「オルテガさん。 俺は、たとえ1人になっても、神竜と闘う覚悟が出来ています。 アイリを取り戻す為に……!!」 「勇者として『私情を持ち込むな』……と、言いたいところだが、 私も1人の『親』だ……。 解かった。 行こう。」 「オルテガさん……!! 有難うございます!!!!」 真剣な表情で大きく頷く勇者オルテガに、勇者アクシズが頭を下げる。 彼の頭を軽く小突くと、オルテガは苦笑した。 「また、君と一緒に闘う事になろうとはな……。 喜んでいいのか、悲しんでいいのか……。」 いつの間にか、戦友としての目で、 アクシズを見るようになっていたオルテガ。 勇者2人はお互い視線を交わし、拳を合わせる。 __アイリ。待ってろ。 必ず、助けてやるからな……!! 心で誓いをたて、アクシズは天を見上げた。 |
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