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「ケルビンさん。 2問目の答えはコレでしょ?」 天界。 ゼニスの城。 手にした『闇の衣』を見せながら、勇者アイリが微笑む。 彼女とは対照的に勇者アクシズは、何故か、お疲れの様にも感じられる。 誰にも聞かれぬよう、賢者ディートは彼の耳元で囁く。 「(メルキドの宿で)一睡もしてないんですか?」 「……出来るわけ無いだろ……!! 必死に、耐えていたんだよ……。」 「……ご苦労様です……。」 どうやらアクシズは、勇者であっても無くても、 美しく愛らしいアイリに、本能と理性が格闘し『蛇の生殺し』状態だったらしい。 ディートは、勝手に部屋割りを決めてしまった自分を、少し反省した。 智天使ケルビンは、2問目の回答の意味を語りだす。 「いや〜〜〜、お見事。 『闇の衣』で正解ですよ。 『暗き世』とは、ゾーマに支配されていた頃の『地下世界アレフガルド』。 『かこまれたる町』とは、城壁に囲まれた『城塞都市メルキド』の町。 『花の中』とは、花畑や花壇を意味します。 本当に、お見事でした♪」 __次の、問題は何だ……!? 智天使ケルビンの問題を待って場が沈黙し、静寂に包まれる。 勇者達は、集中する為か、 知らず知らずの内に両拳を握り締める形となっていた。 深呼吸したケルビンは、声高らかに次の問題を告げた。 「星を見る者。足元に気がつかず……。」 意外にも、非常に短い問題文。 何と『特定人物から場所を理解せよ』という内容である。 その人物と面識の無い者には、一生解からぬ問題だった。 一同の目が点になる。 「それだけ?」 暢気にもスラリンが素朴な疑問を投げかけ、沈黙を破った。 しかし……。 智天使ケルビンは、無表情に言い放つ。 「それだけです。」 だが、アイリには心当たりがあった。 |
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