<7>
天界。
ゼニスの城。

「ほら、これでしょ?
 『魔獣の爪』が答えだよね♪」

スラリンが装備した『魔獣の爪』を自慢気に見せる。
意外と早く戻ってきた勇者達に狼狽しながらも、
智天使ケルビンは平然と言った。

「いや〜〜、大したモノですね。
 こんなに早く解いてしまうとは……」

勇者アクシズは、すかさず本題を切り出す。
「次の『なぞなぞ』は何だ?
 俺達には時間が無い……。」
「はい。次の問題ですね。」
丸眼鏡の端を上げ、智天使ケルビンは不敵に微笑んだ。

__私達は、『竜の女王』様の『卵』を探す為、神竜様にお会いするだけなのに……。

『神竜の塔』へ通じる階段を見つめ、勇者アイリは両手を握り締め嘆息した。
……だが、彼女の不安を無視して、ケルビンの次の『なぞなぞ』が出題される。

「いきますよ〜〜!?
 よく、聞いて下さいね……。」

一同は沈黙し、聴覚を研ぎ澄ます。
ケルビンは一旦深呼吸すると、一気に口を開いた。


「暗き世のかこまれたる町。
 花の中にそれは眠る……。」


__暗き世の……?

勇者アクシズが、思い浮かべるのは『地下世界アレフガルド』。

__かこまれたる町……。

勇者アイリが、『城塞都市メルキド』の壁を思い出す。
だが、彼等の思考はそこまでで、ケルビンが次の言葉を付け足した。

「今度は、結構見つかりにくい代物ですよ?
 肉眼では中々見えない道具ですからね♪」

__?

勇者達は互いに顔を見合わせ、首を傾げる。

しかし……。

彼等がこうしている間にも、
地上界では再び、魔物達が暴れ出していた……。

新しい指導者が現れたかのように……。
この次の[SCENE_9]へ
前へ
『DQ3』外伝CONTENTS