＜6＞
	地上界。 アリアハン地方。 ＿＿おかしい……!! 未だ減らない魔物達。 しかも魔物達は統制されており、 指導者が何処かに居るとしか思えなかった。 流石の勇者オルテガも不審に感じ、独自で調査を始めたのである。 もちろん、僧侶リオ、戦士クリス、商人ミーナも一緒であった。 「絶対、変ですわ……。」 リオが前回『エレメント』系の魔物達との戦闘を思い出し、囁くように呟く。 彼女の言葉にオルテガが続く。 「うむ。 　魔物達が、急に纏まり出した。 　まるで、新しい指導者でも現れたかのようだ……。」 魔物達の新しい指導者というと……。 「魔王……!?」 一同は顔を見合わせ驚愕する。 だが、魔王バラモスと、大魔王ゾーマは既に倒されており、 魔物達を統制する者など居ない……。 もし、他に居るとすれば……。 ＿＿エビル……!? クリスの脳裏に、戦友エビル（バラモスエビル）の顔が浮かび、 ソレを否定するかのように、俯き首を横に振る。 ＿＿そんな筈無い……。私は、どうかしている……!! 仲間を疑うなんて……!! だが、胸騒ぎは治まらない。 彼女は唇を噛み締め、自分の至らなさを悔やんだ。 「クリス。 　どないしたん……？」 心配そうにクリスの顔を覗き込み、ミーナが尋ねる。 体勢を立て直すと、クリスは苦笑した。 「ちょっと、考え事していただけだ。 　気にするな。」 言葉にした後、もう一度、心の中で自分に言い聞かせる。 ＿＿気にするな……。
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