地上界。 レイアムランド。 『氷の洞窟』の一室で、エビル(バラモスエビル)は監禁されていた。 __……。 なるべく余計な体力を消耗せぬよう、静かに目を閉じ、動かない……。 ふと気配を感じ、彼は薄目を開けた。 |
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「予定が変わった。 お前には、直ぐにでも働いて貰わねばならぬ……。」 室内に入ってきたのは、首謀者サムエル。 しかし、どこか様子がおかしい……。 エビルは出来るだけ冷静を保ち、首謀者に尋ねる。 「『ロト』を連れてくるのに失敗したのか……? それはそうだろうな……。 彼女は強い。」 「ああ。 ……その力。おそらく『世界最強』であろう……。」 実際に目にして、はっきり解かる相手の実力。 意外なことに、死の天使サムエルが、勇者アイリの強さを素直に受け入れ頷いた。 エビルの額に冷や汗が流れる。 __一体、何を企んでいる……!? 口の端を噛み締め、相手の動向を静かに見守る。 緊張を走らせ警戒するエビルとは対照的に、 天界の謀反首謀者であるサムエルは、余裕の嘲笑を放った。 首謀者は語り始める。 「何故、『ロト』の魂を欲するのか、本当の意味を教えてやろう……。 コレは、グランドラゴーン様から伺った話しなのだが、 地下世界には『破壊神』が眠っているのをご存知か?」 「破壊……神だと……?」 驚愕するエビル。 しかし、彼の話はまだ続く。 「『邪神像』と『数多の生贄』を捧げることで、『破壊神』は復活すると言われている。 破壊神復活には『ロト』が持つ『封印を解く力』が必要になるのだ……。」 おそらく、ここでは最後の質問になろう……。 全ての覚悟からエビルは、喉から搾り出すような声で問う。 「その、『破壊神』を封印した『神』は誰だ……?」 サムエルはエビルの額に手を翳した。 「地下世界の創造主、『精霊ルビス』だよ。」 |
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