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「ディート。 こいつは思ったより、厄介だぞ……!!!!」 『ガイアの剣』を振り下ろし、勇者アクシズは幼馴染に向かって叫んだ。 勇者アイリは、マドハンドを纏めて退治しようと爆発呪文『イオラ』を詠唱する。 単体なら何とも無い雑魚敵も、群れを成すと脅威になる。 迫り来る、マドハンドの大群とブラッドハンドの大群。 斬ろうが、薙ぎ払おうが、粉砕させようが、その数は減らない……!! 次々に、地面が隆起しては巨大な手の形になる!! 勇者アクシズは、地面に『ガイアの剣』を突き立て、マグマを呼んだ。 溶岩が流れ出しマドハンドの大群を飲み込んでいく。 その後、マグマに飲み込まれたマドハンドの復活は無かった。 目を見開き、その光景に驚愕する賢者ディート。 しかし、彼の頭の切り替えは、流石に早かった!! __魔物固体ではなく、地中に攻撃すれば纏めて片付けられる……!! 次の行動を判断し、彼は叫んだ!! 「アクシズ!! アイリさん!! 2人とも、『イオ系呪文』で地面を掘り起こして下さい!!!!」 勇者2人は頷くと、共に地面に向かって『イオラ』を詠唱する。 ディートも彼等と同様に、手を地面に翳し、呪文を詠唱した。 各自にプラズマが収束され、衝突を起こして大爆発が起きる……!! 地面が抉(えぐ)り取られて、巨大な球根が幾つも現れた!! 「き、気持ち悪〜〜い……!!」 何時の間に潜り込んでいたのだろうか……!? 有り得ない光景に、スラリンの表情が凍りつく。 コロシアム会場に埋まっていた、『マドハンド』と『ブラッドハンド』の巨大な球根。 文献によると、マドハンド(又はブラッドハンド、メタルハンド)達は、 仲間を呼ぶというよりは、自ら増殖するモンスターらしい。 彼等の増殖を止めるには、地中奥深く存在する球根を破壊せねばならない。 正体が判明すれば、攻撃対象もはっきりする。 勇者アイリは、懇親の力を込め電撃系最高呪文『ギガデイン』を詠唱した。 落雷時以上の電撃が、魔物の球根を焦がし、灰へと変化させていく……!! 彼女の攻撃に続き、勇者アクシズも火炎系最高呪文『ベギラゴン』を詠唱する。 帯状の炎が、マドハンドやブラッドハンドの根元を焼き焦がす。 スラリンも球根に向かって『灼熱の炎』を吐き、勇者達を援護した。 やがて、自らの本体を失った、マドハンド達やブラッドハンド達は、 枯れる様に消滅していった。 |
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