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地上界。 『アリアハン』城下町。 王直々の魔物討伐依頼を完遂させた勇者オルテガは、 再び、アリアハン国所属の勇者として、皆に迎えられていた。 「あなたも大変ね……。」 勇者オルテガの自宅。 彼の妻であるルシアは、食卓に紅茶の入ったティーカップを置き苦笑する。 椅子に腰掛け、オルテガは腕組しながら天井を見つめた。 その表情は、困惑しているようにも見える。 そんな彼の心を解そうと、ルシアが先日の出来事を話し始める。 「あなたが仕事に行ってる間ね……。 久し振りに、アイリが、アクシズさんを連れて帰ってきてたのよ。 2人とも、元気そうだったわ。 確かにアイリは『勇者』として英雄になったけど、 女の子に育ってくれて、私は嬉しかった……。」 「お前には、苦労かけたな……。 本当に、すまない。」 「でも、無事、帰ってきてくれたじゃない……。」 その時、扉を叩く音がした。 __……? 不思議に思って、オルテガが立ち上がり扉を開くと、何とリオが立っている。 アイリの仲間だったクリスと、ミーナも一緒である。 「オルテガ様、おはようございます。 アイリは帰ってますの?」 リオの問いに、オルテガは首を横に振る。 3人の仲間達は互いに顔を見合わせた。 「娘は、また何処かへ出掛けたらしい。 せっかく、お友達が揃って来てくれているというのに、申し訳ない。」 詫びるオルテガに、リオが「とんでもない!!」と掌を振る。 「私達、『ルイーダの酒場』に居りますから、 また何かあった時、何時(いつ)でも呼んで下さいませ♪」 「ああ。 是非、そうさせて頂こう。」 そう言って去る3人に、オルテガとルシアが顔を見合わせる。 「それって、あなたのことじゃないですか? アイリのことではなくて……。」 先程の魔物討伐依頼の件を思い出し、ルシアが、ふと思った事を口にする。 もちろん、彼女の言葉は当たっており、 『仲間呼び出し』はアイリだけではなく、 オルテガにも適用されることであった。 |
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