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「間に合いましたね……♪」 先ほどスラリンを援護する為、 氷雪呪文『マヒャド』を詠唱したのは賢者ディートだった。 次に、勇者アイリが、傷ついたスラリンに回復呪文『ベホマ』を詠唱する。 すっかり元気になったスラリンは、 奥に居る勇者アクシズに視線を向けたまま、その場で口を開く。 すると、3枚のモンスターメダルが現れ、勇者達を驚愕させた!! やっと身軽になり、話すことが可能になったスラリンは、 勢い良く今までの事を喋り出す……!! まるで、今までの鬱憤(うっぷん)を吐き出すように語り続ける彼に、 アクシズは嘆息し、思わずスラリンを捕まえ、彼の口を塞いでしまう。 「……うぐ!! 何、するんだよ〜〜〜!!」 解放され、アクシズの腕の中で文句を言ったスラリンは、 勇者を睨みつける。 「状況は、良く解かったから。 少し落ち着け。」 「……でも、1人で大変だったんだよぅ……。」 円らな瞳に涙を溜めながらも、スラリンは目敏くアイリの方にジャンプし、 今度は彼女の腕の中で泣き出した。 アイリは唖然とし、動けない。 魔物だって泣く時くらいは、可愛い娘の方が良いということだろうか? アクシズは大股でスラリンに近付くと、 彼の突起を掴み、持ち上げ、アイリから引き離す。 「何処まで、調子いいんだよ……!!!!」 「へへへ。 ゴメンね♪ でも、『可愛いスライム』には、『可愛い女の子』の方が絵になるでしょ?」 「普通のスライムならな。 でも、お前は『一般的なスライムじゃない』だろ!?」 下手な冒険者より、ずっとレベルの高いスラリンに嘆息し、アクシズは項垂れる。 冗談の通用しない堅物のエビルとは対照的に、スラリンは柔和で暢気だ。 「でも、今の話が本当ならば、エビルを助けに行かないといけないわね……。」 アイリが、真剣な表情で皆に語りかける。 すると、美少女であるアイリを気に入ったスラリンが、調子付く。 「もう直ぐコロシアム会場だから、詳しい事はそこで話すよ。 彼女に、お茶が出せないのは残念だけどね♪」 |
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