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「……オルテガは、『ロト』じゃない……。」 アズライルは、首謀者サムエルに、見たままを報告する。 無表情に首謀者は頷く。 「では、残り『2人』のうち、 どちらかが『ロト』だというのだな……。」 ミハエルが、彼等の目の前に立ち、 額に手を当て、『見えない何か』を感じ取るような仕草をする。 「今、彼等の『魂』は、天界に向かったようですね。 そのうち1人は、生娘でしょうか……? かなり『美しい魂』を持っていますよ♪」 だが、両性具有の為、女性に興味が沸く筈が無い。 相変わらず、男か女か、はっきりしないミハエルに、 鳥肌が立ちつつ、エビルの所から戻ったガブリウルは項垂れた。 彼女の姿を見とめ、サムエルが無表情で話し掛けて来る……。 「エビルは起きたか?」 「ええ。 ものすご〜〜く、元気だったわよ!? 相変わらず、堅物っぷりは直ってないけどね……!!」 エビルの態度が、むしゃくしゃするのか、ガブリウルの不機嫌は直らない。 彼等のやり取りを見ていたミハエルは、 徐に立ち上がって首謀者の方を向く。 「私が、その『魂』を取ってきましょうか? 『ロト』でなくとも『美しい魂』なら、十分価値があります。」 「出来るか?」 「『勇者の魂』は分かり易いですから、 位置の特定は簡単ですよ♪ それに、私も退屈していたんです。」 そう言って、ミハエルは自分の『弓』を装備した。 サムエルが、やっと表情を変える。 それは、氷の様に冷たい微笑だった……。 一方、天界では……。 天界へ通じるダンジョンを下りながら、 スラリン(スライム)は、孤独な戦闘を続けていた。 何故か、彼の『口』は『閉じられたまま』である。 __早く、早く、アクシズ達に、届けないと……!! ぴょんぴょん飛び跳ね、スラリンは洞窟の階段を下りて行く……!! だが、彼は口を開かない。 それも、その筈。 彼の口を塞いでいる物は、エビルの持つ、『モンスターメダル』であった。 |
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