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「敵が、強すぎますよ……!!」 ダンジョン内部に入って早々、賢者ディートが泣き言を言う。 それもその筈。 ダンジョン内部には、かつてゾーマ城に居た魔物達を始め、 地上界では『普段お目にかかれない魔物達』がいたのである。 一例を上げると、 恐ろしく硬い殻を持つ、巨大な蟹の化け物『キラークラブ』。 隼の如く素早い剣技を誇る、強力なゾンビ『デーモンソード』。 強靭な肉体と、凄まじい力を見せる『ダークトロル』等、 皆、かなり強力な魔物達であった。 「これじゃ、魔王軍の方が、まだ闘い易かったぞ!!」 迫り来る魔物達相手に、『ガイアの剣』を薙ぎ払う。 五体を傷つけ、青い鮮血が飛び散るが、それでも魔物達は耐えていた。 その様子に流石に苛立ち、アクシズは爆発系最高呪文『イオナズン』を詠唱する!! 周囲の魔物達は微塵となるが、狭いダンジョン内である。 爆発で洞窟内部が揺れ始め、天井から砂と岩が降ってきた。 勇者達3人は驚愕すると、周りに目もくれず、慌てて逃げる……!! ディートが、アクシズに文句を言う。 「アクシズ、何考えてるのですか!!!! ダンジョンで『爆発系呪文』唱えたら、 周囲が崩れ出すの当然じゃないですか!!!!」 「でも、コレで奴らを撒けそうだろ!? 結果オーライじゃないか……!!」 ……と、前方に『上り階段』が見える!! 勇者達3人は、慌てて階段を駆け上る。 すると、不思議と地響きが止み、元の静かな洞窟に戻った。 アクシズとディートは、ホッと胸を撫で下ろす。 だが、アイリだけは『洞窟内部』を見回しながら、 狼狽していた……。 「どうした……?」 徐に近づき、アクシズは彼女に問う。 アイリは、視線を洞窟内部に固定させたまま、 信じられないモノでも見たかのように呟く。 「コレって、もしかして……。」 __私の『記憶』……? そう……。 洞窟の内部は、今までアイリが探索してきた『洞窟』や『ピラミッド』、 『塔』の内部に酷似していたのだ。 |
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