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死の天使ガブリウルは、『鳳凰』の背に乗り、真っ直ぐ立つ。 ……乗ると言っても彼女自身、翼がある為、浮いている状態だ。 「待ちなさい……!!!!」 ガブリウルを追いかけ、アイリは叫んだ。 だが、宙に浮いている為、追い付いても天使には届かない。 死の天使は、彼女に向かって嘲笑すると、今度はアクシズに向き直った。 そして、いたずらっぽく微笑む。 「じゃあね♪ カッコイイお兄さん♪」 アクシズは唖然として2人のやり取りを見ていたが、 アイリは気が気でないのか、 まるで護衛のように、アクシズの目の前に立っている。 彼は、横にいるディートに訳を問う。 「アイリは、何で彼女に怒ってるんだ?」 「さあ。 『女心』は複雑ですから……。 賢者の僕にも理解不能の領域って存在します。 どうぞ、ご了承下さい。」 「……はあ。」 だが外には、沢山の魔物達が集って、彼等を狙っている。 ……と、ガブリウルは、その中の大将らしき『メタルキメラ』の首筋を撫で、 勇者達を一瞥すると、鳳凰と共に去っていってしまった。 メタルキメラは、号令の如く甲高い声を上げる。 「来るぞ……!!」 勇者アクシズは警戒し、 背中に下げた二刀の『ガイアの剣』を鞘から抜き放つ……!! 賢者ディートも、腰の『奇跡の剣』を鞘から抜き、身構えた。 「アイリ!!」 アクシズが叫ぶと、アイリは真剣な表情で、彼を見る。 「俺が以前、教えた『闘い方』で指揮を執ってみろ。 コレは実践だ!!!!」 大魔王ゾーマ討伐完遂後、『ロト』の称号を授かったこともあり、 その名に恥じぬよう、勇者アイリは、 密かに勇者アクシズに『軍隊』との戦闘方法を習っていた。 アイリは力強く頷くと、魔物の大群を見据える。 ディートは、そんな彼女に優しく微笑んだ。 「もし、間違っても、僕等『先輩』がいるから大丈夫ですよ。」 |
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