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「あっけなかったな……。」 苦笑するオルテガに、リオは微笑みかける。 「私達の『レベル』が普通じゃないのですわ……。」 __……レベルが普通じゃないか。 年下の少女に言われ、勇者は困惑した。 確かに、大魔王相手に互角に渡り合える人間は普通では無い。 もっともこれは、平和になった今だからこそ、理解出来る事実であって、 大魔王討伐時は必死だった為考える余裕が無かっただけだ。 オルテガは、ふと、先程の戦闘を思い出す。 「リオ君は、さっきの『人影』に気が付かなかったのか……?」 聞かれて、リオは意外そうな顔をした。 彼女は「知らない」と首を横に振る。 「何処に居たんですの?」 「上空だ。」 「飛んでたのですか!? そんな『人間』有り得ませんわ!!」 __『人間』は、な……。 自分の額を指で押さえ、オルテガは困った表情をした。 旅の疲れが残っているのか、年の所為なのか定かではないが、 若者に言われると、自分の『動体視力』を疑ってしまいそうになる。 「リオ君。 私も、もう、『歳(とし)』かな……?」 歴戦の勇者の意外な質問に、リオはブンブン首を横に振って必死に否定する。 「そ〜〜んなことございませんわ!!!! オルテガ様は格好良いし、ものすご〜〜〜く強いですし、 アリアハン中の憧れの的ですわ♪」 「……あ、ありがとう……。」 天然娘に質問したら、予想通りの『御気楽な反応』が返ってきた……。 オルテガは嘆息し、もう一度天を見上げた。 空は澄み切った一面青で、雲1つ無い。 彼の動体視力が見間違える要素など、何も存在しなかった……。 |
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