大魔王ゾーマが倒れ、間も無く天界に異変が起こる。 消えた竜の女王の『卵』。 天界に通ずる道は、ダンジョン化。 その影響は、地上界にも変化を齎(もたら)し、 人間界を再び混乱の渦に陥れていた。 |
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地上界。 南の大陸の首都、アリアハン。 「魔物討伐依頼……ですか。」 アリアハン城、『謁見の間』。 勇者オルテガは、国王から直接命令を受け、 断る理由も無かったので引き受けた。 しかし……。 謁見の間を出たオルテガは、思わず嘆息する。 彼は元々、アリアハン所属の勇者だ。 オルテガの娘・アイリも同じく、国所属の勇者であったが、 不在の為、彼が呼ばれることになったのだ。 __そろそろ、『勇者』引退を考えていたのだが……。 視線を天に移し、勇者オルテガは困ったような顔をした。 別に、娘が『自分を超えた』から、そう決意したのではない。 『潮時』を見計らって自分なりに下した判断だった。 だが、世間は彼を放っておかないらしい……。 丁度、城内を通り掛かったリオは、 オルテガの姿を見つけ、声を掛ける。 娘の幼馴染の姿を見とめ、彼は足を止めた。 「オルテガ様。 王様から、何を言われていたんですの?」 「魔物討伐依頼だ……。 私は中々、引退させてもらえないらしい……。」 オルテガは苦笑する。 リオは問う。 「丁度、私も暇してたのですわ♪ 一緒に行っていいですか?」 「行ってもいいが、皆に叱られないか? 君は確かに、娘の友達でゾーマ討伐完遂の英雄だが、エクル大臣の孫娘だ。」 「そんなもの、等の昔に慣れてますわ……!!」 確かに、国内にて『これ以上の助っ人』は存在しないであろうが……。 リオの質問は更に続く。 「ところで、何の系統の『魔物討伐』ですの?」 「『エレメント系』だ。」 「エレメント……って、『幽体』モンスター……!!? アリアハン地方に出現するなんて、『変』ですわ!!」 驚愕するリオに、オルテガは感心する。 そして、少女に向かって、力強く微笑んだ。 「さすがリオ君は、『僧侶』だな。 そこまで解かってるんなら、私も指揮を執りやすい。」 |
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