地下世界アレフガルド。 『勇者ロト』の称号を得た、『勇者アイリ』達の活躍により、 大魔王ゾーマの支配下にあったアレフガルドの闇は取り払われ、 そして『光の玉』が光源となり、今度は逆に『夜が来ない世界』となっていた。 |
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__どっちみち、『時間が解からない世界』であることには変わりないか……。 勇者アクシズは、思わず苦笑する。 彼は傍らの、勇者アイリに視線を移した。 彼女は大魔王ゾーマ討伐達成の功績から『ロト』の称号を得ているものの、 傍目からは美しい少女にしか見えない為、どうもその名前がしっくりこない。 だから、相変わらずアクシズは、アイリの事を実名で呼んでいた。 もっとも、彼にとっては、アイリは『ただ1人の愛しい少女』でしかない。 アイリは、世界に平和を取り戻したものの、 大魔王ゾーマの残した『予言』の意味が気になり、 今からその対策を練っていた。 ……だが。 「アクシズ……。 ゾーマの言っていた事なのだけど……。」 突然問われ、アクシズはアイリの方へ向き直る。 「ああ。 未来の脅威の事か?」 「うん。 その頃は、私、『年老いて生きていない』って……。」 「じゃあ、ずっとずっと遠い未来の話じゃないのか?」 「やっぱりそういう事になるわよね。」 更に考え込むアイリに、アクシズは嘆息する。 ゾーマを倒してからというものの、同じ話ばかりである。 勇者達は、『光の玉』をラダトーム国王・ラルス一世に謙譲してから、 『太陽の石』を城内地下に住む『賢者』に返した。 ……いや、託したと言うべきか……。 後は、『雨雲の杖』と『聖なる守り』なのだが……。 __『聖なる守り』はアイリ以外の人間が触れる事が出来ないだろうな。 考える事は2人とも、得意な方だ。 これに関しては、別にたいして問題ないであろう。 一番の問題は……。 「あのね。皆に言われたのだけど、子孫を残せって。 私達の……。」 そう……。 勇者2人はまだ『結婚』していなかったのだ。 |
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